今年も4月になった。年度が明けました!(開けました)
世間は組織変更、辞令、転勤、転職、独立。
いろんな環境変化があると思うがやっぱり大きいのは「進学」であり「就職」だと思う。
フラクタルは新卒社員を採用しているわけではないが、結果的に新卒のタイミングで関わってくれる人たちも過去5年間の中には複数名いた。有難い限りだ。
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よくある巷の話で恐縮だけど、世間的な「新入社員の人たちに向けて」的な内容をつらつら書いてみようと思う。
僕なりの社会貢献の意図で、新卒の人たちに向けたラブレターだ。
ちょっと回想。僕の新卒時代
なんとなく僕の新卒時代を思い返してみたりする。
2017年の4月、僕は大手事業会社に入社した。会社きっての新規事業の部門で、事業会社の中のコンサルティング部門。
拡大を目指す西日本拠点の立ち上げにアサインされ、東京採用だった僕は1ヶ月の研修期間を経て、縁もゆかりもない大阪に赴任した。
そこで3年。関西のオーナー企業から、エンプラ企業の事業開発まで、さまざまなプロジェクトを「営業」〜「内部に入り込むまで」させてもらった。本当にあの3年間、自分自身のビジネス戦闘力を上げながらマーケットと向き合う期間は本当に財産だった。
僕を育ててくれた10歳上の先輩が、物事の考え方、ビジネス思考の基盤を作ってくれた。
少なくとも僕を育ててくれたのはその先輩であって、直属の上司ではない。笑
本当に楽しかった。今思うと込み上げてくるものがある。
「24時間」といえば大袈裟かもしれないが、本当に毎日、朝から晩まで会話し、LINEし、ラリーし、率直にいろいろなことを語り合う関係性で、昔でいう師弟関係のようなものだったのかもしれないけれど、そういう「会社での関係性」の枠を超えた人に1人でも出会うことができればそれは大きな財産だと思う。
僕自身は会社に入社した理由は「数年でぶっちぎることができそうな会社」(=自分自身が勝てそうな大きな会社)だったからなわけで、社内でそういう出会いがあるとは一切期待していなかった。
社内に対して一切の期待がなかったからこそ、そういう出会いがあったことだけで、僕は新卒でその会社を選んで本当に良かったなと思う。
自分起点で日々、思考と試行をし続ける新卒時代はきつかったけれど、最高だった。
自分で選んだ最高の地獄環境だった。むしろ天国か。
3年過ごした大阪を離れ、東京に異動しまた新たな部門立ち上げにトライ。
そこで全国の広さを知ったり、事業を作る経験をし、僕はフラクタルを立ち上げたわけだけど、そのあたりは割愛。
大企業の新卒社員の人たちへ。数ヶ月にわたる研修は一生の財産
いま、大企業への入社離れが起こっているという。
「成長するならベンチャーやスタートアップ」という言葉は耳に心地よいけれど、僕は一貫して「入れるなら由緒正しき大企業に入るべき」という論者。
世の中に貢献する企業というのはこういうことなのだ、仕組みを作る側の人たちの思想はこういうものなのだ。
そういったいわば「強者の論理」を新卒一年目から叩き込まれるか、弱者の戦略やスモールビジネスしか身につけることができないのかは、10年経ったら雲泥の差。30代以降の自分自身の立ち位置が全く異なってくる。
その話はまた別でするとして、1つ、大企業に入った人たちにエールを送るとすると、「新入社員研修」は一生の財産であるから吸い取れるものは全て吸い取って、資料は全部残しておいて、何度も噛み締めた方がいいよ。と言いたい。
大企業の新入社員研修というのは、多くの場合、数ヶ月にわたって行われる。早くて半年。長ければ1年間にわたるケースも大いにある。
なんのことか今の時代に数ヶ月にわたって「勉強する」ということに企業がお金を支払ってくれているわけで、こんなに贅沢なことはない。
何もお金の花をして「得である」という話をしたいわけではない。大企業が大企業たる所以は、この新入社員研修にあるといっても過言ではないと僕は思っている。
世の中の95%以上は中小企業なわけだから、大企業のマル秘の情報が盛り込まれた新入社員研修を学べるのは多くても世の中の数%しかいない。転職組は無理で、新卒で大企業に入社した人たちに限るわけである。
いま僕が経営、事業のコンサルティング業を行うなかで様々な会社や経営者と向き合ってきた。
そこで働く社員の方々とも向き合ってきたわけだが、やっぱり出自が由緒正しい大企業であった人は、たとえそこに1年間しかいなかったとしても、全く違う人種な訳である。
何が違うのか。
一言で言うと「帝王学」である。
大企業の新入社員研修というのは、いかに「自分たちは選ばれし立場であるのか」という思想、哲学を叩き込まれる。由緒正しい大企業というのはそういうものである。
その前提で、自社の立ち位置や、最も大切な事業運営上の本質をこれでもかというほどに繰り返して教えてくれる。
僕が新卒で入社した会社の場合は、「社会に価値ある何かを残す」ということ、そして「何よりもコンプライアンスが大切である」ということを叩き込まれた。
まあ、ある種、洗脳研修のDNAもあったと思うのだが、僕が入った会社は「大企業」ではあるが「由緒正しき」ではなかったので、その辺りの毛並みはちょっと違うかな。
それよりは例えば地方銀行とかの方が格式という意味では圧倒的に上。
そういった話はまた別の機会にしようと思う。
中小・中堅企業の新卒社員たちへ。「全部やる経験」は独立につながる宝庫
長くなってきたのでここからはちょっと時短で書くけれど、いわゆる95%の側の会社に入った君たちは、これまた恵まれている。
ポジションで闘うことも、ビジネスモデルで闘うこともできない側であるわけで、大事なことはいわゆるランチェスターでいうところの弱者の戦略の中でいかに自分たちが勝てる土俵を見出すか。そういう闘いをしている会社なのだという前提で吸収できるものを吸い尽くした方が吉。
人がいない、足りない。アセットが少ない。ノウハウが薄い。
それらはすべて「なんでも自分でやる」という最高の経験につながる。
将来、独立をしたいだとか、次のキャリアを考えている人は、「個としてのできること」を「地に足つけて」増やしていく場所として、今いる会社を最大限活用することができる。
総じて新入社員の人たちへ。人権はないがリソースと夢がある
とまあつらつらと書いてきたが、新社会人となった皆さんにメッセージ。
新入社員は仕事ができない。20代に足りないのは圧倒的に実力である。
その事実を受け入れて、有り余った時間と体力を全投下すべきだと思う。
学生時代までの成功体験は、「努力の水準」として記憶したうえで、まっさらになって突っ走っていって欲しい。
30代になって、出る杭はちゃんと出てくる。世の中に出る30代となるために、10年間全力疾走をするのだ。
「ま、ようやく就職できたし、30年間安泰だ」と思っている人と(今の時代そうそういないと思うけれど)、
「まずは10年後までになんとしても結果を出して、レギュラー組になるのだ」という短期決戦で全力疾走をする人ととは、30歳時点での立ち位置が全く異なる。
ようはゴールまでの時間軸の設定で、20代の過ごし方が変わるよねという話。
30代になったらレギュラー組と補欠組で明確に線が引かれる。
レギュラー組には試合のチャンスが巡ってくるし、補欠組はそのチャンスは回ってこない。チャンスの窓が閉じるのだ。
20代のうちは実力が世に出るまでに時間差があって、実力をつけている人とそうでない人の違いがぱっと見わからない。
でも確実に差はついていて、30代になって一気に溢れる人と、まだコップ3合目の人との差が明確に分かれるのだ。
そしてその差に気づいた時には、挽回できないほどの差がついている。
レギュラー組はどんどん試合に出て実践経験を積んでいくし、監督は試合に出ている人を次の試合に選ぶものだ。
リソースと夢があるのが20代。全力疾走しなきゃ。
嫌でも差がつくわけだし、放っておいても5年くらい社会人を経験すると自分がどのくらいの実力があるのかは分かってくるから、そこまでは全力疾走しようぜ。
僕は応援しています。新入社員、おめでとう!ようこそ社会へ。
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