時代を越える原理原則と向き合う

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日々徒然

「絶対にやりたくないこと」は何か?

起業をする上でも、あるいは経営をする上でも多くの人は「やりたいこと」から逆算で考えます。

その結果、「あれもこれもやりたい・・」となって、結局うまくいかずに頓挫してしまうというパターンが99.9%。

なぜでしょうか。

それは「やりたいこと」の中には「やりたくないこと」が含まれているからです。

例えば経営をする上では常に何かがトレードオフ(trade-off)の関係になるからです。

Aを取ればBを失い、Bを取ればAを失う。

例えば経営方針が「既存のお客さまを向いて仕事をしよう」ということであっても、新規のお客様との付き合いが生まれないのであれば、いつかその事業はうまくいかなくなってしまいます。

「いや、でも新規営業こそ命でしょ」という人に限って、既存のお客様へのサービスが疎かになってしまう。

「既存顧客にサービスを提供していれば、勝手に新たなお客様がついてくる」というのもまた違った話です。
それは日本企業の「良い製品を作れば勝手に売れる」という理論とニアリーイコールです。今は良い製品を作れば勝手に売れる時代ではありません。

やりたくないことは何か

僕が自分で事業を作る時に考えたことは以下です。

・在庫は持たない
・顧客に媚びなければならない仕事はやらない
・値引き事業はしない
・嫌な企業・気分が乗らない人とはお付き合いをしない
・消耗するような仕事はしない
・基本的に正社員は採用しない
・無料で知恵を提供しない(お金をもらっていないのに提案はしない)

・押し売りはしない。テレアポもしない

他にも色々な観点がありますが、その中でも「こういうことはしたくない」というものを考えて、そこから実際のビジネスモデルに落とし込んでいきました。

やりたいことはいくらでも出てきます。

起業をしたいという人や経営者というのは基本的に「これもやってみたい!」とポンポンと出てくるものです。

が、繰り返しますがやりたいことの中には「やりたくないこと」が含まれるので、やりたいことを追い求めた結果「こんなはずじゃなかった」という結末に行き着いてしまうのです。

自分達をブランドにして、「買ってください」と頭を下げなくとも「こういうことをお願いしたいです」とお客様から言われるにはどうしたら良いか?と必死で知恵を絞るのです。

医者が「あなたが死にそうになったら是非うちの病院で!」と営業をしてきたら怖いですよね?

弁護士が「あなたは人生で困りそうだから、その時は私に相談してくださいね」と言われたら殺意を抱くはずです。

コンサルティング業というのもプロフェッショナルな仕事ですから、本来は「私にコンサルティングをお願いしてください」と頭を下げるものではないと思っています。

でも、実際はコンサルティングファームや業界というのは、実際のコンサルティング能力ではなくほとんどの場合は営業能力で出世が決まるのです。

世の中には稼げない自称コンサルタントが多すぎる・・
コンサルタントが自分達自身を売れる仕組み作りができずして、何を人様にコンサルティングするのでしょうか。

起業をする上でサラリーマン人生を経験しておくと良いところは、「死んでも二度とこんな地獄は味わいたくない」というものを嫌というほど経験できることです。

嫌な意味ではなく、最高の監獄だと思うのです。

「二度とごめんだ!」思えるほどの負のエネルギーは、何よりも力になるのです。

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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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