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起業の心得

経営者の当たり前の感覚が全ての基準になる

起業の心得」というカテゴリーで、事業を興す時に考えていたこと・考えていることをメモ的に随時投稿していきます。

起業後の事業拡大の難しさは、1つはメンバー集めの難しさ、もう1つは当たり前のギャップに起因する、という記事の中で、特にメンバー集めの難しさについて書いた。

今回は2つ目の「当たり前のギャップ」について書いてみたい。

メールの「てにをは」1つをとっても経営者の脳みそが露呈される

最近、人に言われて「ああ、そうだな」と思ったことの1つなのだが、フラクタルの強みは2つあると。

1つは「当たり前の基準が高いこと」で、もう1つが「約束を必ず守ること」だと言われた。これは嬉しい。

当たり前の基準というのは、自分にとって当たり前なので、特別視しなくなっていくのが当たり前なのだ。(語感が…)

僕らは当然、商談前には顧客の企業情報は徹底的に調べるし、商流やビジネスモデルの理解、リリース情報の過去数年分のインプット、経営課題の仮説を最低5〜10個は持っておいた上で商談に臨む。

これは最低限のラインで僕らにとっては”当たり前”なのだが、意外にも世の中にはそんな人は多くない。

毎回のMTGにおいては必ずアウトプットを持っていくし、そのアウトプットは「妥協点」ではなく「満足点」でもなく、必ず1%でも期待値を上回る”何か”の付加価値を出せるように知恵を搾る。

起業経営において大事なことは何よりも「言行一致」だと考えているので、約束は必ず守る。口約束こそ信頼の証だと思うのです。

顧客に出す資料1つをとっても、いや、メール一文をとっても、その文章の「てにをは」さえ、経営者の脳みそが露呈されるのです。

事業拡大において難しいポイントの1つが、経営者自身とメンバーの「当たり前の感覚が違うこと」。

経営を担うのであれば、徹底的にこの当たり前の感覚のズレをチューニングしていくべきです。

考え方、文章の書き方、資料の出し方、言動、振る舞い(ビヘイビア)、時間感覚、話し言葉の1つをとっても、そのすべてが企業の内側から出るものであり、経営者はその全ての責任を担うのです。

ここで大事なことを1つ。

現場へ細かいダメ出しをするのではありません。任せたら細かい部分への口出しは不要です。

でも、考え方やこだわり、意図・背景は徹底的に、事前に共有し切るのです。それをひたすらやり続けるべき。

感覚のズレを”なくす”というよりも、各々が持っている当たり前の感覚をチューニングしていくという表現が正しいと思う。

どこまで細部をこだわり抜くことができるか。それが経営の難しさであり、そして何よりも醍醐味ではないだろうか。

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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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