人間の本質の欲求を表した「マズローの欲求5段階説」は有名だが、
それを働く社員に置き換えると大半が「お金」と「評価」になる。
会社で働く従業員が求めているのは「承認」であり、
その承認を体現したものの1つが「給料」。
もう1つが「評価」である。
プライベートにおける人間の趣味嗜好はバラバラだが、
会社で働くという構造下において社員が求めるものの本質は「給料と評価」に
集約されるという本質は経営者であれば知っておいて損はない。
経営者は人に使われるという経験がない人も多いし、
仮に会社員を経験したことがある人であっても経営者という立場になって数年も経つと
従業員時代の気持ちを忘れてしまう人が多いようだ。
従業員というのは経営者が想像する何倍も、
その会社での承認に飢えている。
あの人が自分より給料が1,000円高いだとか、
パートやアルバイトであれば他の人が自分より時給が10円高いだけで
心の底から一喜一憂する。
死活問題なのだ。
会社での人事発表が1年に一度あるのであれば表情に出すかどうかはさておき、
従業員は漏れなく全員その動向を虚心坦懐に伺っている。
自分が評価されれば天にも昇る思いであるし、
気に入らない人の評価が下がれば飯うまである。
それが人間というのものだ。
良い悪いではなく人はそういうものであるという本質を知った上で、
評価制度というものを考えないといけないのだということ。
従業員が人生を賭して大切にしている評価を、
トップの気分で行うというのは最悪。
トップの顔色を伺うばかりのヒラメ集団の出来上がりになる。
やる気もない、
当然ながら責任感もない。
仮にいたとしても数年で辞めてしまう。
そんな組織にしたくないのであれば、
評価は「評価制度に行わせる」べきである。
トップや評価を行う業務を担う人事は、
会社の法律である「評価制度」の体現者であるべき。
弁護士が法の体現者であるのと同様。
もちろんその評価の指標を定めて制度に落とし込むことはトップが責任を持って推進すべき。
人間は評価指標の中で動く生き物であるからこそ、
何よりも重要なトップイシューであることを踏まえて旗を振ろう。
本当に従業員を大切にしたいなら、
彼らが本当に求めているものの本質に目を向けよう。

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