時代を越える原理原則と向き合う

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コンサルティング

【パート2】僕らのことを怪しいと思っている人たちへ

これの続き。書いてみるとすごいボリュームで、自分でもびっくりしている。笑

ここまで言っておいて、じゃあお前らは一体何をやってるんだ?って思った人向けの内容。(そう思うのは正しい)
形のないものに輪郭をつけるのは、正直結構大変だったりするけど、数年越しにようやく「僕らが何を提供しているのか」とかを書いてみた。という話。

フラクタルのビジネス領域

長いので5つのテーマを一気にまとめてみた。

「経営」↔︎「事業」「組織」の大きく2つに分類される。
さらにそれぞれを「営業戦略」「事業企画」と「人事・組織戦略」「採用支援」の2つずつに分類した。

営業戦略と事業企画の順番が逆じゃないか?という指摘をされたこともあるが(一見するとそう思うのは正しい)、僕の中では明確な違いがあって、
「営業戦略」のパートに書いたのだけど”売れる仕組み”を作るというのは、「売る」ではなく「売れる」というのがポイント。

ドラッカーでいう「顧客の創造」こそ営業戦略の本質で、営業戦略というよりはマーケティング戦略に包含される。

のだけど、今の時代に「マーケティング」というと、狭義の意味でのマーケティングと捉えられてしまうので、広義の意味でのマーケティングという意思を込めて「営業戦略」と表現している。

①”ならでは”の強みを構築する

いずれにせよ重要になるのは、「①”ならでは”の強みを構築する」こと。
そのためにはひたすらに想像力を持って解像度高く現場に介入し、その企業の”ならでは”を可視化すること。それを強みに昇華させること。あらゆる事業支援はここから始まる。

ここで大切なのは想像力とコミュニケーション。
コンサルティング業は究極のサービス業と称されることがあるが、ヒト商売なのだからコミュニケーション能力が低い頭だけのコンサル屋さんはご臨終。

「営業ができない職人の方が掘り出し物」という考え方も一理あると思うが、僕が言っているのは必ずしも営業ができる必要はないけれど、コミュニケーション能力は一定度必要だということ。
コミュニケーションというのは「誰とでも話せる」ということとかではないので念の為。

相手の言っていることを限りなく正しく理解して、こちらの意図を限りなくその通りに伝える力。
が僕で定義するコミュニケーション能力。もともと僕も世間では「コミュ障」なんて言われて社会人になったので大丈夫。

②実行支援までやり切る伴走力

結局はコレ。世の経営者たちは「こういうことがしたい!」「ここをよくしたい」という思いや悩みを形にできないから、来る日も来る日も死ぬほど頭を抱えているわけで、それを一緒に実現していくのが僕らの仕事。

「実行伴走支援」と表現すると泥臭く受け取られるけれど、むしろそれでいい。
その泥臭いところにこそ神は宿る。細部にも宿るけれど、泥臭いところにも神は宿るのだ。

「差別化」という表現はあまり好きではないのだけれど、僕らの他者と(他社と)違うところはどこか?と聞かれると真っ先に答えるのがこれ。これからフラクタルに関わる未来のメンバーの人たちにも伝えたい。泥臭い部分、人がやらない・やれない部分にこだわるからこそ価値があり、それだけでめちゃくちゃ稼げるよと。

なぜか。他のコンサル会社、ブランディング会社、マーケ会社の諸々は、泥臭いところをやり切れない人が大半だからだ。頭で勝負しよう綺麗に勝負しようとする人が増えれば増えるほど、地頭が良くて泥臭いことができる集団にますます仕事の依頼が殺到する。戦略は形にするまでやり切るところまでがセット。

「業界」×「規模」×「テーマ」の横断知識

これもね、偉大なる「ポートフォリオ戦略」に則ったもの。

フラクタルを創業するときに立てた大きな大戦略の1つが「専門性で勝負しない」ということ。
なぜならビジネスの領域で市場に出ている「専門家」と呼ばれるおじさんたちは、「元・すごい人」か「そもそも大してすごくない人」しかいなかったから。

専門性はコモディティになるし、賞味期限がある。
専門性がダメということではなくて、専門性で闘いたかったら専門性を軸に周りに派生させていく別の力が必要であると気づいた瞬間、一気にコンサルの価値は上がる。

経営者やリーダーたちが心の底から求めているのは断じて「専門性」ではないのだ。

だからこそ、「業界」×「規模」×「テーマ」の3つの軸でそれぞれ圧倒的な実績を作り、その広さ(面積)を広げていくポートフォリオ戦略が僕らの立ち位置としては重要だったし、実際にその戦略がハマってからは新しい領域の仕事の依頼がどんどんと増えていく。

そりゃそうだ、専門性を求められていないのだから、新しい領域の仕事の相談で死にものぐるいで成果を出せば、それが実績になり、その実績がまた次の相談を生む。

「顧客感動」既存顧客こそ大切にする。

営業戦略のパートで「顧客の創造」について言及しましたが、顧客の創造をするためには「新規開拓」ではなく「既存顧客」を大切にすること。

目の前の仕事に101%以上で取り組み続けることが、未来への膨大な複利となっていく。
目の前の仕事こそ、究極のマーケティングという言葉はまさに。

世の中の会社の大半がこれとは逆のことをやってくれている。
サービスを購入していただいた既存顧客はほどほどに(むしろ蔑ろにして)、年がら年中「新規開拓!!」とやっている。その行為自体が自分たちの、ひいては業界の首を絞めているということを知らずに(いや、知っているのか・・?と疑いたくもなる)。

僕が深く関わっていた人材業界なんかもそう。新規開拓!をスローガンに猪突猛進でやりまくった結果、業界自体が周囲から疎まれる存在になっていた側面は確実にあると思う。

顧客の期待値をコントロールするというのは支援事業者側からするともちろん正しい。

それを踏まえた上で、顧客の期待値の100%を提供するというのは「顧客満足」。もちろん正しい。

さらに顧客の期待値を、1%でもいいから何かしらで上回り続ける。
101%以上を提供し続けられれば、それは顧客満足を超えて「顧客感動」になる。

感動した人間の心理というのは、その感動を必ず誰かに、何かしらで伝えたくなる。
それが僕らの場合は紹介になるし、感動してくれた顧客は必ずリピートをしてくれるようになる。

この人間心理の原理原則を踏まえた上であらゆるマーケティング戦略を構築するのだ。

全ての施策において、1%でも顧客の期待値を上回ることはできないか。

自由度が低いからといって努力に逃げない

資料に書いた左側の図は、濱口秀司さんのロジックからお借りしたもの。
リソース分配と自由度、の2軸を表現しているのだけど、物事が進むロジックというのは、

コンセプトを考える(concept)

戦略を立案する(strategy)

意思決定を行う(decision)

実行(execution)

の4つのフェーズがある。特に僕らのような、そして皆さんのような経営者やリーダーたちは、頭を使って稼ぐ仕事をしているわけなので、上の流れがとても重要になる。

大事なポイントは、上のの方が「自由度」が高くて、下にいくについて自由度が下がってくる。

「コンセプト」を考えるというのが最も自由度が高い。
例えば「何でもいいので新規事業を考えてください」と言われたら、その自由度は限りなく大きく、難易度は劇的に上がる。

「何でもいいので、10億円の新規事業を考えてください」という1つの制約上限(この場合は目標:ゴール)が決まると、10億円に到達するための新規事業を考えるので、最初のバーリトゥードよりは考えやすくなる。

「我が社のアセットを活用した、ITの新規事業で10億円の事業計画を考えてください」と言われると、もう1段階、具体性が増すし、格段に考えやすくなる。

ようは抽象度が高ければ高いほど、思考が難しくなるし、具体性が増す(=制約条件が増える)ほどに、具体的に考えることができるようになる。

なぜか。

それは抽象度が高いフェーズで物事を考える場合、思考ツールがないから。
多くの人は、そしてそれは経営者に限らず、抽象度が高い物事を考えるためのリソースやツールを持ち合わせていないのだ。

だから、コンセプトを作るというフェーズでは難易度が上がり、戦略フェーズはちょっと具体性が増すけれど、意思決定の方法論も持ち合わせていないので、結果的には戦術フェーズ、ようは実行するフェーズになってリソースを思い切り投下する。

本来であれば自由度が高いコンセプト立案フェーズや戦略立案フェーズの方に時間も人もリソースを投下すべきなのは自明の理のはず。にも関わらず、わからないが故に、実行フェーズのところに時間も人も大きくリソースを投下する。

ようは努力に逃げているのだ。

本来、リーダーたちは最も付加価値が高い考えるフェーズ、抽象度が高いフェーズに時間を割かないといけないはずなのに。

トップが営業している会社、何かもまさしくそうです。努力に逃げては会社の成長も未来もない。

不易流行

結局のところ、事業は人なりです。

果敢に挑戦し続ける経営者やリーダーたちも、自社の人材採用には頭を悩まし続けていますし、僕らのようなコンサルティングを提供する会社というのは商品が人しかありません。

「こういうスキルを持った人が、これだけいる」という伝え方がわかりやすいですが、コモディティ化するわけで、面と向かって接した時の人間力を磨き続けていかないと、僕らのような商売は中期的には尻すぼみになっていく。

自分のプロフェッショナルな領域においては人並み以上の水準があるのは当然として、それ以外の知識や教養が人としての魅力になるわけで。

僕らコンサルティングサービスを提供する人間というのは、現場に浸かりすぎていてもダメ。
お客さんはみな、その道何十年のプロたちだけれども、僕らが同じようにその道何十年と現場に入り込みすぎてもダメで、それではコンサルティングで最も重要な客観性が失われてしまうから。

コンサルタント商売を生業にする人たちというのは、仕事はできるけれど、大事なことは仕事だけじゃない。
いろんな業界の経営と現場に入り込んでいくときに重要になるのは、圧倒的な想像力。

それはもう、日々の暮らしや生活の中でいろんなものに触れて、たくさん小説や映画を見て、人と対話して、ひとつひとつ磨いていくしかない。

そういう人としての魅力と、頭を磨いて教養を広げていくために、情報空間を大きくし続ける必要がある。

物理的な三次元としての広さもそうだし、時間軸を越えての広さもある。
それがここでいうところの「不易流行」という言葉に辿り着く。

不易というのは、時代を超えても変わらないもの。
流行というのは、その時代その時代で変わっていくもの。

その異なる2つの概念を一体化させた言葉が不易流行で、
その時代ごとに変わりゆく時流を見ながらも、変わらない原理原則を大切にしようという考え方。

永く存続し続ける企業の共通項というのは、不易流行を取り入れ続けているということ。

業界の地位を向上させたい。

僕らは関わった業界の地位を向上させることをミッションに、コンサルティングを提供している。

せっかく関わらせていただいたのだから、せめて1ミリでも、その業界が価値あるものになるだとか、その業界で働く人たちが誇りを持てるようになるだとか、日本の中で価値ある業界に一歩でも近づくだとか、そういったことを大切にしたいと思っている。

ビジネス的に言えば、「一段上の視座で捉える」という表現が伝わりやすいけれど、
スターバックスの「ザ・サードプレイス(第三の場所)」という概念もその通りで、新たなマーケットが生まれるのだ。

コンセプトを作る。そのコンセプトを一段上に引き上げる。
というようなものだと受け取ってもらってもいい。

これはその業界の中に居続けた人だと難しい。どうしても客観的にその業界のことを捉え、複数の業界を相対的に視るからこそ、見えてくるものがあるのだ。

業界の地位を向上させるには

では業界の地位を向上させるとは何か?どうやってやるのか。

「家を建てる仕事」ではなく、「地域をデザインし、人々の暮らしの拠り所をつくる仕事」。
「モノを作る仕事」ではなく、「暮らしの安全や感動を形にする仕事」として。

ようは仕事の意味、業界の存在意義を再定義すること。

単に「人々の役に立つ仕事」とかそういったレベルの話ではない。抽象度をあげれば良いというものではないのです。

その業界や仕事を社会の機能として捉え直す客観的かつ相対的な視点を持っているからこそ、意味を言葉にすることができる。

その意味の再定義が最も難しく、かつ付加価値が高い取り組みで、それをクライアントと一緒になって頭に汗をかきながら頑張るのです。
そしてその目指す姿、ありたい姿を再定義することができたのならば、あとはそのコンセプトを戦略や施策に落とし込んでいくだけ。

もちろんその施策を泥臭く実行する部分も大変ではあるのですが、その実行はクライアント自身でもできる。
そうやって僕らは徐々に手を引いていくことを目指しているのです。

一緒に仕事ができて人生が変わった、と言われたい。

繰り返しますが僕らの仕事はあくまでも黒子であり、表には出てこないもの。
必ずしも全てのコンサルティングがうまくいくわけでもないし、大きな成果が出ないこともある。

年単位でその企業の半分中の人として経営や事業の改変に向き合うこともあれば、
プロジェクトとして3ヶ月や6ヶ月で終わっていくことも多々あるわけで。

その1つ1つが全て全身全霊の仕事なのだけれど、その全てが120点の仕事であるとは限らない。

それでもなお、一緒に仕事ができて良かったと言われることは、何度あっても嬉しい。
プロジェクトを通して出会ったクライアントの社員の方とは、このプロジェクトが終わったらもう2度と関わることはないはずの人たちもたくさんいる。

その人たちから、心から「ありがとう」と感謝される仕事は、とてもやりがいがあるものだと思うし、僕はこの仕事に誇りを持っている。

そして、その中で時々、「ありがとう」を超えて涙を流されたり、人生の大きな転機に向き合う瞬間もある。
「一緒に仕事ができて、人生が変わった」と言われる仕事が、他にどれほどあるだろうか。

経営者やリーダーの人たちというのは、とても孤独です。
日々の意思決定においては、とても不安な、とても繊細な人たちだということを僕は知っている。

だからこそそんな経営者やリーダーの人たちの人生の登場人物の一人になりたい。
その人たちが死ぬ間際に、あるいは心がしんどいときに、今までの人生で関わった膨大な人たちの中から浮かんでくる顔の一人でありたいと思うのだ。

僕は偉大なことをして教科書の1ページに載りたいとは思わないけれど、勇気ある経営者やリーダーの人たちの人生の1ページに刻まれるような存在でありたいし、そんな仕事をしたいと心から思う。

だからこそこうして、本気で成長を目指す経営者やリーダーの人たちに向けて、言葉を綴っている。

『縮尺』- 時代を超える原理原則と向き合うメディア

今こうして文章を書き綴っているのは、世界を変えることができると本気で思っているから。

僕は自分自身が偉大な経営者や、偉大な政治家になりたいとは1ミリも思わない。
これは物心ついた時から学生時代を通して、全く興味がなかったし、社会人になってからもやっぱり興味がなかった。

でも、そういうリーダーたちに向けて、言葉を届けるような仕事をしたいとは10代の頃から漠然と思っていた。
当時はここまで言語化はできていなかったけれど、漠然と「本を書きたい」というのが10代の頃からの僕の夢であり、本を通して僕の人生を救ってもらったからこそ、本を書くことを通して人を救う側に回りたいと思っていた。

就職活動においても、どんな業種業界を受けても志望動機は「本を書きたいから、御社です。」の1点突破だったし、最初の就職先に大企業を選んだのも、こうしてコンサルティング業を生業にしたのも、世の中の仕組みを知ることができると思ったからであり、世のリーダーたちに対して言葉を届けることができると考えたから。

10代の頃から4桁のブログ記事を書き綴っていて、それらはどこにも行き場のないものだったりもしたけれど、確実に僕自身の文章として残っていて、そして今、この「縮尺」というメディアに行き着くわけで、
なんでこの場所を作って、お金にもならない大量の文章コンテンツを書き続けているかというと、やっぱりリーダーの人たちに見て欲しいしそこに言葉を届けたいから。

僕自身も経営者の端くれとしてこのフラクタルという会社を世に生み出したからには、自分の子どもとして育てていく責任があると思っている。
その生みの責任の中で日々の見えている世界は変わり続けていて、その見えている景色や考えていることを残し続けておかないといけないなと思ったことも理由の1つ。

世界を変えるには、必ずしも皆がリーダーになる必要はない。
僕はその世界を変えるリーダーたちに、思想を生み出し、言葉を届けたい。

それが僕の人生の役割であると心から思っている。

会社概要

おまけ1。

代表経歴

おまけ2。

支援事例

おまけ3。

いつも読んでくださってありがとう。


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この文章を読んでいいなと思ってくださった方。一度、お気軽にお話ししませんか。

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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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