時代を越える原理原則と向き合う

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起業の心得

「事業」「組織」そして「経営」

久しぶりの「起業の心得」の記事の投稿。
起業の心得」というカテゴリーで、事業を興す時に考えていたこと・考えていることをメモ的に随時投稿していきます。

このブログでは、自分の名前で稼ぐということについての変遷について書いているわけですが、最近常々周りの人たちに伝えている考え方がこの「3つの軸で考える」というもの。

「自分の名前で仕事をする」=「営業して、納品できるようスキルを上げる」
ということだけを考える人も多いですし、業務委託やフリーランス、複業で受託業を行う場合は、それで正しい。

まずは自分の名前で一円を稼ぐという経験をすることが何よりも大切です。ほとんどの人はここで挫折するわけですから。

その次の話を少ししてみます。

自分の名前で1社、2社と仕事を請けることができるようになれば、ふと「あれ?このまま仕事を増やしていくと、自分が動けなくなる」という事実に気づきます。

自分自身というリソースを売れるようになることは大切な一歩ですが、自分のリソースを売っているだけではいつか飽和してしまう(動けなくなってしまう)わけです。

その回避方法として次のステップで考えるのが「仲間集めをして、一緒に納品をできるようにする」というもの。
要は「発注力を高めて自分のリソースを空ける」という考え方。

ほとんどの場合はこの2つ目のステップまでに挫折するわけですが、逆にいうと「発注する人」の周りには構造的に人が集まるわけですから、自分で仕事を作ることができて、発注できるようになる。それだけで立派な受託業のシステムが出来上がります。

自分のチーム作りの難しさ

発注をすると当然、利益率は下がるわけですが(自分でやった方が儲かるという状態は当然)、その分自分のリソースがほとんど減らないという状態になるわけですから、あとは数を増やしていけば良い。

自分の利益率を下げてても発注できる仕組みを作る方が、中期的に稼げるようになるし、何よりも安定します。

この段階で「自分のチーム作り」という視点でもまた、いろいろな悩み事が出てきます。

「誘ったけど仲間になってくれない」「優秀な人を集められない」「思い通りに動いてくれない」等々。

組織作り、チーム作り、仲間集めの難しさはやってみて初めて体感するもので、会社員としてチームを持っていたとか、マネジメントをしていた経験とは全く異なる難しさがあります。

それは会社員の時には、会社の役職という立場に人がついてきたのに対し、自分個人で仲間集めをすると自分自身が100%のブランドであり看板で、どれだけ人間的にも仕事的にも自分が魅力的であるか?がダイレクトに問われるようになります。

一緒にやってくれると思っていた人が、しばらくすると「やっぱ、いいや」と抜けていく。
あるいは突然消える(いわゆる「飛ぶ」というやつ)。

人間不信になる人も多いかもしれません。

この段階でのポイントは、全く知らない初めまして状態の人と仕事をしないことです。

以前から知っている人、人間関係として信頼関係がある人を中心に仲間集めを考え、その人たちの中期的なメリットを考え続ける。仕事において何かあったら自分が100%の責任を取る。このスタンスは必ず仲間に伝わります。

3つ目の軸を見落とさない

こうして「自分で仕事をとってくる」「自分で納品できる」「チーム、組織を作る」という段階を経ている人はかなり優秀。ここまで行ける人はごく僅かです。感覚的には「自分の名前で仕事をしたい」と言っている人が10人いたら、そのうち1人くらいしか到達しない。

でも一定数の割合で、この10人に1人の人たちが結構な数存在するので、その人たちに向けたステップ3の話をします。

自分の名前で仕事を受けて発注をできるチームを抱えられるようになると、多くの場合は法人化を考えるし、その方が良い。

個人事業主で孤高のプレイヤーとしてガッツリと稼ぎ続けられるというのは才能ですが、多くの場合は法人という箱に市場価値という資産を貯めていく(ひいてはそれが自分自身の名前に市場価値を付与する作業になる)方がベターです。

法人としての機能を強化していく場合に、意外と見落としがちな必須科目が「経営」という項目。

個人で稼げるようになっていく人の必須科目は「事業(ビジネス)」「組織」そして「経営」の3つです。

経営の勉強をするというのは、自分の人格とは異なる「法人格」について学ぶことです。

どんな偉大の法人でも、生まれた時は0歳の赤ちゃん状態であり、1回目の起業は誰しも経営者0歳の状態からスタートするのです。

自分で定款を公証人役場へ出しに行くところから始まり、税金などお金周りのことも勉強しなければなりません。

個人事業主の時はざっくり青色申告で良かったものが、会社として事業を考える場合は周りの人への席にも発生しますから、厳密にやっていく必要があり責任の範囲は必ず拡大します。所得税や住民税だけではなく、法人税も納めなければなりません。

会社としての仕組み作りをし、風土を考え、まずは1年間潰れずに運営すること。それを何度かやってようやく中長期的に存続する企業への第一歩を踏み出すことができます。経営業務として考えなければならないことは山ほどあります。これは実際にやったことがある人でないと分かりません。

経営を学ぶということは、自分が営業して納品できれば良いという事業のこと、組織作り仲間作りのこととは異なる、3つ目の視点を持たなければならないということです。会社員や個人事業主として登ってきた山とは全く異なる別の山をゼロから登り始めるイメージです。

フラクタルはまだ3年の法人ですが、今まで考えてきたことを1つずつ市場に答え合わせをしている状態です。

今の時代はネットを活用して「起業をする」ということ自体のハードルは下がりました。
ただ、経営をすることの学びの科目は多数あります。

自分の名前で稼ぐ。その先にある景色とか辿ったことについても、このブログでできる限り最大限の気づきを書き綴ってありたいなと思っています。

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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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