時代を越える原理原則と向き合う

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日々徒然

2026年度に晴れて社会人になった君へ。1か月遅れのメッセージ

2017年4月、僕は大学を卒業して社会人になりました。
あれから早いもので10年が経ちます。

就職をして上京する。なんて甘美な響きなんだろう。
地元で23年間育った僕は、中学生の頃から漠然と「東京」という街、というか世界観に心から憧れていました。

華やかな街、ビルが立ち並ぶオフィス街、コーヒー片手に颯爽とビジネスの世界へと向かっていく様子。
満員電車、はじめての一人暮らし、見るもの聞くもの全てが初めてで、こんなにも心昂る経験が今までの人生であっただろうか。

最初の3年間は、初めて配属された大阪。
そこから関西で3年を過ごし、4年目に東京へ戻ってきて、東京に住んでからは丸6年が経ちます。
東京に転勤になってから3年目の終わりにサラリーマンを辞め、僕は独立の道を歩み、会社としては5年が経ちました。
経営者になって5年です。(いま6年目に入って半年が経ちました)

直近2年間は東京と大阪の2拠点生活になり、このブログは2026年の連休期間に大阪で書き綴っています。
ここ1か月ほどは東京メインで過ごしていたけれど、また最近の新しい仕事の話は別の記事で書きます。

僕が10年前、社会人になった日に書いた記事が残っていました。
就職した大企業の入社式に向かう日の朝の新幹線での出来事です。僕はあの時人生で初めて新幹線に乗りました。

入社式。社会人への扉を開く1日

10年を節目に過去の自分と、未来の君たちへ、新社会人へのメッセージを書いてみます。

実はちょうど1年前にも同じようなことを書いていて、その内容が案外いいことを言っていたので笑
それとは異なる視点で書いてみようと思う。

最初の就職はおみくじ。人に期待せず、それでも付き合えそうな1人と出会えたらそれは一生の財産

ぶっちゃけ、最初の就職なんてものはほぼ”おみくじ”に近い。
自分のやりたいことをわかっている人なんてほとんどいないわけだから、やりたいことがわかっている人はその道めがけて突っ走っていけばいい。夢が破れたら途中で軌道修正すればいいだけの話。

自分のやりたいことなんてないし、夢もないし、仕方なく就職というタイミングで自分の立っている場所を選ぶ人の方が大半なんだから、行けるなら大企業がいいし、伸びている産業で地力を鍛えてもいいし、あなたがエリートなら斜陽産業でぶっちぎりポジションを狙ってもいい。

あなたを面接した人事も選考官も、現場の上司も部長も、もちろんあなたの同期も、大したことなんてないから大丈夫。
大したことがある人は就職なんてしない。でも、世の中は99%の大したことない人たちが作っているわけで。その構図を知れたことは大企業に就職した大きな財産。

自分で行ける最大限の場所を選ぶか、僕のように30代で辞めても未練がないと思える場所、ようは自分の勝ちやすそうな場所を選ぶかは、あなたの人生戦略次第だけど、いずれにしてもあなたが決断した場所だったら、今立っている場所で成果を出す方が人生として確実にお得。
同じ場所に5年も10年もいる必要は必ずしもないけれど、ある一定度の時間と労力は投下した方がいい人生が送れる確率は高まると思う。あなたが将来、成功したいなら尚更。

僕の最初の就職先への期待値は、書いたように「あ、このレベル感の人たちがいるんだったら、自分なら数年後、楽勝だな」と思ったから。それで得する大企業を選んだ。嘘偽りなく本当の話。

僕はもともと、他人に期待しない擦れたタイプの人間だったけれど、その性格は特に20代で何らかある程度突き抜けたいと思う人にとっては、大事な要素なんじゃないかと思う。

会社のやり方は徹底的に真似て盗む。だけれども、人には期待しない方がいいと思う。
もしそのくらいの低い期待値で「お、この人は」と思える人に1人でも出会えたんだったら、それは一生の財産になる。

僕は何度も書いているけれど、最初の数年でその「お、この人は」と思える人からその後のビジネス人生の基盤のほぼ全てを教わった。単純な上司部下や先輩後輩の関係ではなくて、今は死語になっている師弟関係のようなものだったと思う。

きっと彼は、僕がこんなことを書いているんなんて知らないだろうし、仮に知ったとしても「俺はそんなことした覚えはない」と言ってくれると思う。
本当に人を育てる人というのは、「あいつは俺が育てた」とそんな甘っちょろいことは言わない。
でも僕は、その存在があったから今がある。確実にそう思っているから、次の世代に託していきたいと勝手に決意しているだけの話。

そういう人に1人でも出会えたらその就職は儲けもんだし、仮に出会えなかったとしても大丈夫。あなたが今いる場所でレベルアップしていけば、次のステージでそういう人に必ず出会える。人生というのは不思議なもので、人の階層というのは見事に人間的なレベルで分けられている。それが社会というものだ。

大企業で学んだことは生涯の糧になる。いま僕が独立して食えているのは最初の就職先のおかげ

最初の就職先はおみくじみたいなものだとは書いたけれど、あなたの就職先が大企業なら、仮に1年しかいなかったとしても、そこで学んだことは生涯の糧になる。
たった1年でも、その先の何十年というビジネス人生の軸になる。それだけの影響度があることは間違いない。

例えば僕が今、コンサルティング業で独立して仕事ができているのは、社会人の最初の3年間で学んだこと身につけたこと、そこで反面教師的に考えたことの蓄積によってであり、それらが大半。独立をして自分でやってみて学んだこともたくさんあるけれど、全体で見たらそれらは一部に過ぎない。

業界の構造というのは、全体の話は大企業にいる立場でしか見えない。
大企業であるということはそれだけの理由があるから。具体的には「ある一定の人でも回る事業の仕組み」を構築できたから大企業になったわけであって、それは言葉で言うほど簡単なことではない。

その意味はあなたが自分自身で独立をして、何でも屋ではなく、「事業」を作る側になって初めてその意味がわかるし、それでいい。
ただ、周りで成功している人たちを虚心坦懐に見つめていくと、その本質がうっすらと見えてくるのではないだろうか。

あなたがもし将来、独立をして成功したいと思っているなら、独立をした時に一周回って(あるいは何周か回って)辿り着くのは、一番最初に身につけた業界や仕事の仕方にほぼほぼ集約されるはず。
仮に全く違うことをやっていたとしても、迷った時や困った時の道標になるのは、あなたがおそらく「何でこんなところに就職しちゃったんだろう」ときっと思うであろう、最初の業界と企業で身につけたことなのだ。

なのでおそらく今年社会人になった人は(改めて、おめでとう!)、
「なんでこんなところを選んだのだろう」と頭を抱える瞬間もくると思うけれど、
最初の就職はおみくじだと割り切って、人に期待せず、ある一定のラインまでは走り切ってみるという思いを忘れずにいて欲しい。

その先の選択は、自由だ。

会社で学ぶべきことは「マーケット感覚」と「儲ける仕組み」

大企業に限らず(いや、むしろ中小企業の方が)、身につけるべき具体的なポイントを書いてみる。

1つは、マーケット感覚。
もう1つは、「会社が儲ける」とはどういうことなのか?という仕組みについて。

1つ目のマーケット感覚と言う言葉は、聞き慣れない言葉かも知れないが、もし興味があれば、ちきりんさんが書いた素晴らしい著書があるので読んでみて欲しい。

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「この業界がどういう市場構造になっているのか」ということ。
「業界の仕組み(構造)」と言い換えてもいい。

まずは今いる業界のトップ10の会社がどこなのか。
その会社が何を提供しているのか。
なぜそのサービスは売れているのか。
その中で自社はどのような工夫をしているのか。

今いる業界のマーケット感覚を磨くためには、必ず「自社の理解」が大切になってくる。

自社を理解するためには、自社と自社の製品を愛すことだ。
心から愛せなくてもいいから、愛しているフリでもしてみる。

そうすると、必ず「なぜこの会社が、どのようにできたのか」まで遡る必要があり、その源泉に触れることが大事になってくる。
全部盗め。理由は後付けでいい。人生のどこかの局面でその真髄を知っているか否かが分水嶺になる瞬間が来る。約束する。

僕の場合は、「コンサルティング業界」×「HR業界」のマーケット感覚を磨くことができたし、自社の、そして自分の立ち位置を相対的に理解することができた。
さらに言えば、最初の3年間に関西で営業をしていたことによって、西日本の主要企業はほぼ全て頭に入ったし、意図的にあらゆる業界の構造を知ることができた。

僕なりの言葉で「あ、マーケット感覚が一程度身についたな」と思った瞬間は「西日本の企業の規模感と事業、エリアのサイズ感に手触り感が出たな」と思ったとき。
2〜3年くらいはかかったけれど、そのベースがあって東京に戻ってからはそれを「各地方の中小企業」「東日本の大企業」ひいては「日本の産業」にマーケット感覚を広げていくことができた。

もう1つは、会社が儲ける仕組みについて。

これは上で書いた「自社の理解」にもつながるのだけれど、一定年度、存続し続けている企業には、自社なりの「儲ける仕組み」が存在する。

何を、いくらで、誰に提供しているのか。
それはなぜ、この製品・サービスになったのか。

自社にどのような部門があるのか?そこはなぜ存在しているのか?
総務部や人事部などの間接部門と呼ばれる部署は、何をしているのか。

そういった1つ1つの仕組みを、僕はものすごく知りたかった。会社の仕組みを知るには、大企業ほど適した場所はない。
なぜ、毎月、経費申請の締め切りがあるのか。毎月ごとに売上・利益を追っているのか。

僕は最初、営業周りをしていた時代、特急電車の乗り方もわからなかった。
経費申請を間違って怒られたことだって一度や二度じゃない。

「事業」が存続するということは、必ず理由が存在する。

大企業であるということは、繰り返すが極論、誰でも回る仕組みがあるから、大きな事業になったのだ。
中小企業、零細企業がそれたる所以は「特定の誰かがやらないといけない」からだ。

世の中の9割以上の企業というのは、しょぼい人材が、しょぼい仕事を、しょぼいオペレーションでこなしているわけだが、それが世の中の構図だと知るところからスタートだと思う。

ビジネスモデルを理解するとか、他社が儲かる仕組みを理解すると言うのは、コンサルティング業を生業にするには必須科目だが、それはまだ先の話でいい。
このブログにはそういう材料がたくさんあるし、これからもできる限り提供していきたいと思う。

属する集団の立ち位置で人生の価値は変わる。本気で成功したかったら最初の3年が勝負

「人生は、マラソンだ」と喩えられることも多いけれど、それは2つの意味がある。

1つ目は「短距離走ではなくて、何十年も続くもの」という意味で、文字通りマラソンだという理由。
そしてもう1つは、「最初の数キロ(数年)で、属している集団はレース後半になっても入れ替わらない」という理由。

僕は2つ目の理由の方が圧倒的に大事だと思っている。

最初に属す集団というのは、ぶっちゃけ20代前半でほぼ決まる。
1つは学歴。もう1つは、最初の就職先(ようは社格)だ。

この掛け算で発射台の高さと角度が決まるけれど、それを今嘆いてもしょうがない。
そこからその角度を維持しつけるために、あるいは自分自身がレベルアップしていくために、できれば20代はトップ集団に属していた方がいい。

僕の場合は同世代人口がざっくりと100万人。
就職活動の時に明確に言語化したのだけれど、その100万人の中で自分はどのくらいの立ち位置にいるのか?
学歴、能力、人間性、そういったものを総合的に鑑みて、自分の人生で勝負すべき土俵を選んだと思っている。

最初の就職先が決まったのであれば、そこからは自由競技の世界。大人のルールの世界へようこそ。
犯罪以外は何をやってもいいのが、大人のルール。なりふり構っていられないと僕は思うのだけれど、あなたはどうだろうか。

組織の出世は生き残り競争だけれど、あなたが今の組織で出世したいと思うのか、華麗なる転職をしたいと思うのかは後から決めればいい。
あるいは、独立の選択をしてもいい。ここだけの話、最高の人生が待っている。
いずれにしても、「人生は長距離戦が」と思ってのんびりやっていると、30代で「あれ?こんなはずじゃなかった」と必ず思う瞬間が訪れる。

20代は、まだ実力がないから、世に出てこない。
けれど30代になると、実力がある人は必ず世に出てくる。周りを見たら一目瞭然でしょう。

実力がコップから溢れないのが20代。
目に見えないけれど、確実に差がついているわけで、20代のうちは30歳までをゴールに全力疾走した方がいいと僕は思う。

まずは最初の3年間。直向き(ひたむき)に走ってみてもいいのではないだろうか。

仕事の報酬は仕事。30代でもっと量をこなせるようになるために、20代で死ぬほど働くという選択肢があってもいい

30代になったときに「20代の時よりも、もっと量をこなす」と書きました。
その思いは今も変わらない。

ここ1年くらい、お仕事の相談、紹介がループしていて、本当に有難い。

仕事の報酬は、お金じゃない。次の仕事の依頼。
僕のやっているコンサル業は、ひたすらに地味な仕事です。

コンサル業の仕事の最大の報酬は、次の仕事の相談であり、紹介です。

儲からない仕事にこそ、細部へのこだわりと、プロとしてのパフォーマンスがあると思っています。

たくさん儲けさせてもらっているからこそ、儲からない仕事にも手を抜かない。
そもそも、儲かる儲からないじゃないのです。そして、そういう綺麗事を言うためには、やっぱり稼がなきゃ。

30代を、もっと量をこなせるようにするためには、20代、ひたすらに量をこなす時代を過ごした方がいいと思う。
夜中まで働け、飲みに行け、とかそういう話ではなくて、やっぱり量をこなさないと質には転嫁しない。
思考の量と時間を確保しないと、30代、40代になって頭で稼ぐ側には回れない。

質が上がって初めて、もっと量をこなせるようになるんです。

いまは時代の流れで、ホワイト企業と呼ばれる働き方が増えたし、それが基準なのは間違いない。
でも、いつの時代も、一昔前と比べると「俺らの時代の働き方はな」と言われてきたわけで、当然僕の時代も「昭和や平成初期と比べて」と言われて、ホワイト企業で働かせてもらっていた。

それでも量をこなす20代と、そうじゃない20代がいる。
今の時代だって同じです。あらゆる言い訳を乗り越えて、仕事で成果を出すためにがむしゃらになる人と、そうじゃない人の2種類がいるだけ。

がむしゃらに仕事に打ち込む20代と言う選択肢があってもいいと思うし、僕はそれがかっこいいと思う。

いつか、この記事を読んでくださった人と、語り合いたいものです。

この春、新社会人になった人へ。
就職、おめでとう。

  • 記事を書いたライター
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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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