時代を越える原理原則と向き合う

時代に流されない「原理原則」を経営者に突きつけるメディア『縮尺』。理念経営のための確かな「物差し」を、フラクタル社メンバーが思考の現場からお届けします。

日々徒然

最後の泥沼までお付き合いします。フラクタルの原点にある「コンサルの本質」

「最後の泥沼までお付き合いします。」という言葉は、
フラクタルのホームページの一番上に記載している言葉です。

この言葉が生まれた経緯は説明文に譲るとして、
僕が会社ホームページを作るとなった際に一番初めに書いた言葉です。

むしろこの言葉を書くために、ホームページを作ったと言っても過言ではありません。
出来るだけ長く、様々な喜怒哀楽を一緒に共有できるクライアントとお付き合いをしたい。

この言葉には、コンサルティング業としての全てのメッセージが込められています。

コンサルティング会社がいう実行伴走支援はウソ

一昔前の「知恵とフレームワーク」があれば
クライアントから多額のフィーを頂戴できた時代から変わって、
いまは「成果が出るまで、コンサルティング会社がクライアント企業と伴走する」
というスタイルは当たり前になった。

少なくとも「実行伴走支援」を売り文句にしているコンサルティング会社や、
フリーでコンサルティング業を営む人たちは増えた。

流行り言葉で言うところの「ハンズオン」というものだ。

ハンズオン(hands-on)とは、
本来の意味は文字通り手を上に置いて、伴走し続けるというもの。

その価値観や市場が形成されたのは良いことであると思う一方で、
コンサルティング会社が謳い文句にしている
「我々は実行伴走支援をします」というのは、その大半は実現しない。

ようは「嘘」なわけで、とは言え「いや、我々は実行伴走こそ特徴だ」
と考えるコンサル会社も多いと思うが、正確に言えば
「クライアントにとっての『伴走支援』」と、
コンサルティング会社が考えるそれには、少なからずギャップが存在する。

なぜかというと、まず前提として、
構造的に実現が難しいということが挙げられる。

例えば、新規事業というテーマでコンサルティングを行うとして、
コンサル会社が支援できるのは例えば以下のようなもの。

・事業開発の基本的な進め方、ケーススタディの提供
・市場調査(リサーチ業務)
・仮説立て
・検証方法の指南
・事業化に必要なポイントの示唆出し

と言ったところだろうか。

細かく挙げるとキリがないが、
例えば上記のような取り組みを行うだけでは、もちろんのことながら事業はできない。

事業を作るのはあくまでもクライアント側の人であり、
コンサルティング会社はその推進サポートを行うという
立ち位置から脱しきれないし、脱するものでもない。
それはその通りだと思う。

では、コンサルティング会社各社が謳っている「実行」や「伴走」は何を指しているのか。

クライアントは当初「実行伴走で支援を行ってくれるなら」と契約をしたはずなのだが、
事業を形にするところについては自社でやらないといけない。
細かく手を動かすところも、自社でやらないといけない。

そこには少なからず、期待値のギャップが存在する。

別に新規事業のテーマに限った話ではなくて、
他のどのようなテーマであれ、「実行伴走支援」という言葉には、
期待値と、提供できる現実的な内容には、必ずギャップが存在する。

それが良いとか悪いとかは、
もちろんコンサルティングの内容次第で「結果オーライ」となれば良いわけなのだが、
そのギャップがある事実を認識しないと話は進まない。

これは「僕らフラクタルは他社とは違います」と言いたくて書いているわけではない。

構造上の事実として企業側も、支援側も、
それを理解しないといつまで経ってもギャップが存在し続けて
平行線のままだということを伝えたくて書いている。

じゃあ、僕らはどうなんだ?

僕らなりにこの「実行伴走支援」で選んでいただける理由もあると考えている。

僕らがまだこの小回りが効く規模だから実現できるのだという前提付きだが、
僕らはクライアント企業の横で伴走するだけではなくて、
必要に応じてその企業の中の人として関わらせてもらうこともある。

例えば上で書いた新規事業の場合は、
そのクライアントさんの名刺を持ってヒアリングによるニーズ調査を行ったり、
PoCと呼ばれる事業検証フェーズにおいては実際に営業をしてみて
それを型にしていくというアプローチを行うことも多い。

これは明確に僕らのポジショニングだと思っていて、
「大手のコンサルティングファームはやらない・やれない」領域であり、
かつ、「(クライアント企業が)自社でやれる人がいない」という、
その間の立ち位置で物事を前に進める、形にしていく実行を担ったりもする。

もちろん、中期的にはその会社の社員に移管していかなければならないので、
新規事業においても組織構築や制度設計、場合によっては採用面談や、
他の部署の社員の異動の人選などにも立ち会ったりもする。

大手のコンサルティング会社が持っている情報や
ネットワークやノウハウというのももちろん大いに価値がある。

一方で、例えば事業化のフェーズになった際に、
大手の企業の若手のコンサルタントの人と、
僕や僕らの選りすぐりのメンバーとで、どちらを選びますか?という話になることも多い。

どちらが正解で、どちらが間違いで、という話ではなく、
事業のフェーズや課題によって、見極めないといけないのだということを
特に経営者や決裁者は認識してもらう必要があるので、このように書いてみた。

僕の本音を書くと、
「経営のことを相談するなら、フラクタルさんに」と思ってもらいたいし、
そう連想してもらうのであれば、コンペをしてお手並み拝見、なんてことは言われたくない。

でも、大切なことだと思うからこそ、タブーの話を書いている。

結局、困りごとの大半は社内の人の問題。
現場と、現場の人を見ないと分からないことがたくさんある

企業が困っている問題のその大半が、社内の人の問題だということは、
一定度以上の経験があるコンサルタントの人であれば首肯する話だろう。

人の問題と一言で言っても、単純に人手不足ということだけではなくて、
能力的な問題であったり、人間関係然り、
あとは社内で「これをやろう」という取り組みが進まない理由も人にあることが多い。

ようは人が事業のボトルネックになっているケース。
そんなものはいくらでも存在する。

中でも一番問題なのは、座る椅子を間違えている組織。
これは真っ先に組織が崩壊する。

座る椅子を間違えているというのは、
本来は社長の器ではない人が社長をやっているだとか、
本来は課長の器の人が部長をやっているだとか。

コンサルティングを行う上で僕らは、
プロジェクトを組んで関係者全員にヒアリングを徹底的に行う。
それはテーマが人事制度であれ、新規事業であれ、業務改善であれ、経営改革であれ。

もちろん現場の声をかき集めるという目的もあるのだが、
こちら側の裏目的は「正しい椅子に、正しい人が座っているかどうか」ということ。

裏を返せば、組織的に何かの問題が起こっている企業というのは、
正しくない人が正しくない椅子に座っているが故に、
問題が起こっているわけなので、そこを徹底的に炙り出していく。

と言ってもこれは水準以上の目を持った外部の人であれば、
別に経営コンサルタントを専門職として行っている人でなくとも、
客観的に見れば割と一目瞭然なことも多い。

でも、社内いると気づかない。不思議なものだ。

人間というのはそれだけ、メタ認知というのは難しいものだということだろう。

ちょっと裏話ではあるが、
僕がサラリーマンから独立をして、フラクタルを立ち上げた初期に、
コンサル案件を取りまくっていた時代の営業手法(というか提案手法)は、
まさしくこの「社内のボトルネック=人の問題」と置いて、
そのボトルネックになっている人の「人件費」を取りにいくというものだった。

世の中の大半の企業が求めていることは、
崇高かつ希少的な情報やノウハウなわけではなくて、
ある一定以上の水準の人材であれば当たり前にできるような業務レベルのことであることも多い。

僕らだって初めから経営上流のコンサルティングだけを行っていたわけではなく、
事業レベル、組織レベルのコンサルティングも、
ある種社内の人の能力的に推進できない業務を巻き取っていく、ということも多かった。

社内のなかなか推進できない人材で半年かかるような取り組みが、
僕らが入って2ヶ月で形になれば、3倍の速度で物事は進むよねと。

そこに対して社内の人件費+αのフィーを支払っても、割りに合うだろう。
と考えるのが経営思考というものだ。

これから独立しようとしている人、あるいは独立しても案件が取れないと
頭を抱えるフリーのコンサルの人たちに、ぜひ参考にしてみて欲しい。

そしてもう1つ、経営者に向けて書くのであれば、
目の前のコンサルタントが仮に自分の子ども世代であったとしても、
「自社で到底このレベルの人材を採用するのは無理だな」というような人であれば、
月に1〜2回のコンサルティングで、社員の給料以上のフィーを支払っても損はない。

中小企業のコンサルティングというのは、提供するにせよ受ける側にせよ、
その「人材に対する市場目線」を持つことが大事になるというのは、
覚えていて損はない考え方だと思う。

社長がコンサルに求めていることは「最後まで逃げないか」の1点に尽きる

僕らが「最後の泥沼まで、お付き合いいたします。」
というキーメッセージを訴求し続けている理由は結局のところ、
経営者が求めているのは綺麗な企画書でも、分析結果でもなくて、
「こいつは最後まで逃げ出さないか」という1点に尽きるというのが本質だからだ。

経営というのは、常に山あり谷ありで、
経営者という仕事はその大変さからすると割に合うものでもない。

ものすごく孤独だし、しんどいし、
失敗を引き受ける覚悟も、従業員とその家族の人生を背負う覚悟と、
想像を絶するたくさんのプレッシャーを抱えて日々、事業を行っている。

「社長は暇そうで羨ましいな、楽な仕事だな」と思われている経営者は、
その状態を作り出すためにどれだけの思考とトライアンドエラーがあったのだろうか。

どれだけ数字や事業の調子が良い時であったとしても、
次の1年が同じ状態が続くとは限らない。

コンサルティングにおいても、どれだけ綿密なプランを練ったとしても、
計画通りに行かないことの方が圧倒的に多い。

だからこそ、計画が変わったとしても、あるいはうまく行かなかったとしても、
うまく行かないことも含めて一緒になってやっていけるコンサルタントのことを、
本当のオーナー経営者は信頼するのだ。

現場の泥臭いところまでちゃんと目を向け、
経営者が背負う半端ないプレッシャーに向き合う背中を押せる仕事をしたいなと思う。

愛のある組織に人は惹かれる

ここまで現場だとか、組織だとか、色々書いてきたけれど、
もう1つ、目に見え辛いが大切な話を書いておきたい。

世の中には、2通りの企業が存在する。
1つは魅力的な人がどんどんと定着していく企業で、もう1つは逆に人がどんどんと離れている企業。

もちろん、給料が良いとか、条件や待遇がいいとか、
そういうことも大事な要素の1つではあるが、絶対条件ではない。

同業他社の2倍の給料を全員に出し続けるのは現実的ではないわけで、
給料が必ずしも業界トップ水準でなかったとしても、
魅力的な人が溢れる会社というのは存在する。

こんなことをコンサルティング業を行う僕らがいうのもなんだが、
結局は愛のある組織かどうかがほぼ全て。

組織の末端にまで愛情をかけられているか。
目を向けていられているか。

事務員さんや受付の方、秘書さんのような方々が、
瑞々しい表情をしているか。

トップとNo.2が、揺るがない信頼関係で結ばれているか。

コンプレックスを持った捻くれた人ではなく、
きちんと愛された経験のある人を採用しているか。

愛のある組織だということは、
結局は愛のある人を採用しているということ。

泥臭さの裏側には、きちんとした愛情がある。そんな組織が伸びていく。

見落としがちなポイントだが、最後の最後に事業の命運を分けるのは、
こういった「愛」の話であり、そして「運気」の話であることも多分にしてある。

努力に逃げない

最後にもう1つ、泥臭い現場を大切にすると書いていることと真逆のことを書く。
大事なことなのでぜひ覚えていて欲しい。

それは、努力に逃げる組織というのは、中長期的には必ず失速する、ということ。

書き間違えではない。「努力に逃げてはいけない」ということ。

人間は1人でやれることには限界があるし、
1日24時間という限られた資源というのは共通のもの。

なので「人の10倍頑張ります」とか「死ぬ気で働け!」
というような人や組織というのは、必ずどこかでその弊害が来る。

人の10倍働くのは物理的に無理だし、
そうやって無意識に(自分にも他人にも)嘘をつき続けながら無理をし続けると、
いつか病気になって死んでしまう。

本当の話だ。あなたの周りにもそういう人がいないだろうか。

必要なのは倍の努力ではなくて、倍の工夫。
正しい方向で、人の倍以上の努力をするから、輝くことができるのだ。

正しい方向というのは、ようは「自分が、自社が、勝てる土俵を選ぶ」ということ。

そのためのヒントは、人の半分以下の力で、
人の倍以上の成果を出せたことを自分の人生を遡って考えてみると見えてくる。

ある程度大人になってからは、
できないことを克服するのに自分の貴重な人生の時間を費やすのではなくて、
自分の才能を磨いて磨いてそこに時間を投下して、
それによって目の前の人を幸せにすることに人生を費やす方が、
生きている意味があると思うのだがいかがだろうか。

僕ら自身もそうでありたいと思うし、
また、そうありたいと目指す勇気ある人たちを応援したいと心の底から願っています。

ここまで読んでくださって、ありがとう。
これからの人生も、よろしくお願いします。

<追伸>
今日、渋谷でお茶をご一緒したクライアントの社長が、このホームページの言葉を
「地獄の底までご一緒します、という言葉!良いですね」と言ってくれました。
地獄の底までとは書いていませんが、そういうふうに読み取ってくれたということが嬉しかった。

天国も地獄も一緒に共有しましょう。


いつもお読みいただき、ありがとうございます。

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フラクタルについて
「フラクタル」とは、縮尺を変えても同じ形が規則的に現れ続ける、
自然界の法則を表す言葉です。
事業の規模が変わっても本質は変わらないという考えのもと、
企業や経営者と長期的に向き合うパートナーでありたいという想いを込め、この社名を付けました。

事業開発、人事制度・組織開発、採用支援など、経営に関わるテーマに対し、
企画で終わらせず、実行し切るところまで伴走することを大切にしています。
売上5億円のベンチャーから3,000億円規模の大手企業まで、業界・規模を問わずご一緒してきました。

最後の泥沼までお付き合いいたします」というスタンスを大切に、
現実が動き出すその瞬間まで、逃げずに向き合い続けています。

▶️会社HP:フラクタル株式会社

  • 記事を書いたライター
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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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