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コンサルティング

案件相談が殺到し続ける、コンサルエージェントとの向き合い方.part2

以前に「案件相談が殺到する、コンサルエージェントとの付き合い方」という記事を書いた。

僕自身も2025年から本格的に複数のコンサルエージェント会社と仕事上の付き合いを始めたが、この1年間はおかげさまで案件相談が定期的にくるようになり、今ではおかげさまで各社から毎月数件ずつのコンサル案件の相談が殺到するようになった。

以前にも書いたが、特定の分野で、水準以上の実績ができるまではむしろそういった事業者との付き合いは避けていた。
今でこそ、毎月、コンスタントに案件相談をもらえる状態になったのだが、やっぱりそこは戦略的に自分自身のポジションを作りにいかなければならない。

副業勢や独立初期のフリーランスが、そういったサービスに登録をして案件獲得を待っている状態というのは、一番悪手。
勝ち筋と実績を作ってからでないと案件相談をもらうことはかなり難しいし、大手のサービスであればあるほどに登録者は数万人ものぼるわけで、必ず埋もれる。一度埋もれてしまうと、そこから這い上がるのは難しい。
「この人は登録期間は長いが、実績がない。ということは、実力がない人だ」と判断されるのがオチだからだ。

といっても僕自身の能力やケイパビリティ自体が、数万人のキラキラした経歴の僕より年上で優秀な人たちと比較して、特段に秀でているわけではない。そこは断言できる。
ただ、戦略的に実績作りにこだわり、市場でのポジションを確立した上で、パートナーとしていかに「売りやすいコンサルか」と認知されることに注力したわけだ。

ポジション作りについては以前にも記事で書いているので割愛した上で、今回はコンサルエージェント各社との付き合い方におけるtipsを書いてみようと思う。

締切以来の厳守は何よりも重要

意外と見過ごされがちなのが、案件相談をしばらくほったらかしにすること、そして「もっと情報があったら支援できます」的な立ち位置をとってしまうこと。
それらは悪手で、コンサルエージェント各社は営業数字を追っているわけなので、彼らにとっていかに「売りやすいか」という視点で考える必要がある。

例えば、各営業担当者の方から案件相談の連絡をもらった時に、
「いつまでに(〇〇日のXX時までに)返信をください」と書かれていることも多いが、その期日は厳守しないといけない。意外とできていない人も多いと思う。

僕自身が会社員時代に依頼する側、相談する側、ブレーンの方々を選ぶ側の立場だったからこそ、売れる人売れない人の違いが手に取るようにわかる。
専門性で勝負する人の賞味期限は有限で、しかも本人が思っている以上にその賞味期限は短い。

一方で、案件相談が殺到し続ける人も(割合で言えばかなり少ないが)一定数いるわけで、
売れる人には売れるなりの理由が存在する。

仕事相手は会社員であり、セールスパーソンなので、できるだけ早めに返信をしたい。
その返信内容も結構ポイントで、彼らが恐らくは困っているであろうこと、あるいはこれから提案を行う上で困るであろうことを先回りして、その内容を含めるだけで進捗度合いは大幅に変わる。

ドンピシャで類似する支援実績がなくても関係ない

こちらとて、案件相談に対してドンピシャな支援実績があるわけではない。
むしろないことの方が多いはずだが、そんなことは関係ない。
実績がなければ受注ができないのであれば、コンサルタントという職業は成立しない。

実績がなかったとしても、過去の仕事やプロジェクトを因数分解して、「こういう経験があるから、今回の場合でもこういうふうに支援できると考える」ということを明確に返してあげること。
本来的にはその読み取りはコンサルエージェント側の仕事であるのだが、その負担(いわばリスク)をこちらが持つことで、提案のスピードも質もかなり上がる。

売りやすい人という認知がされれば、多少確度が曖昧な案件でも抽象度が高い案件でも相談が来る。
ようは要件定義がなされる前の営業フェーズで相談が来る状態を目指すということだ。

案件の要件定義に必要なことを一緒にやる。リサーチから提案まで(もちろんある程度の範囲ではあるが可能な限り)付き合ってあげる。
セールスパーソンの人たちも経験や実績はバラバラなので、相手の理解度に合わせて提案しやすい内容をこちらから提供する。

その「相談しやすいポジション」こそ、経歴や実績で劣る若い世代のコンサルタントたちの勝ち方戦略。
案件自体が進む、進まないはむしろ後付けであって、本質的な顧客はエンドクライアントではなく、案件相談をしてくれるコンサルエージェント会社の、いちセールスパーソンの方々なのだ。

プロフェッショナルな医者は自分から「手術をさせてください」と営業はしない

フラクタルは過去5年間、自分から営業らしい営業、コールドコールと呼ばれるアウトバウンドの施策も一切やってこなかった。
あくまでも「信頼され、紹介される立ち位置」を徹底して守ってきたから、5年で60社を超える実績が、しかも超エンプラ企業の新規事業や人事戦略のプロジェクトを複数社で実施できたのであって、自ら「うちはコンサルできますよ」と営業をすることは(ダメとは言わないが)恥ずべきことだと思ってやってきた。

経営コンサルタントという職種は、医者や弁護士と同じようにプロフェッショナルであって、仕事を依頼される側、相談される側であり、自ら「手術をさせてください」とか「弁護をさせてください」というのが違和感があるように、「御社をコンサルさせてください」という営業が主体なのは少し本質からはずれているのではないだろうか。

もちろん、そういう時期があるのは理解できるし、独立初期は仕事がないので営業フェーズがあるのも十分わかる。
だが1年以上仕事をしていてそれでも自ら営業主体で案件を追い続ける状況というのは、提供するサービスの質がどうかと疑われてもおかしくないし、そもそも人様の経営に口出しをさせてもらう立場なのであれば、自らの案件獲得に知恵を絞るくらいのマーケティング能力がないと、なかなかフリーでやっていくのは難しいと思う。

マーケティングというのは正解があるわけではないし、その人に適したやり方、時代に即したやり方が刻々と変化する。
「自分はこうしたらいい」ではなくて「他者と比較してどう見られるか」が本質。

結局は想像力。相手の立場になって極論までに「何に困っているか」「何があったら嬉しいか」を考えることこそが、マーケティングの本質なのではないだろうか。

一緒に仕事をさせてもらったコンサルエージェント会社の方々に伝えたいこと

まず、仕事にならなかったとしても案件相談をいただけた方々。
ここ1年でも数十人以上の人たちから仕事の相談をいただいた。

繰り返し伝えているが、僕らは超スペシャリストではない。
各分野に秀でている人、経歴がもっとピカピカな人たちは世の中にたくさんいるし、あなたの会社のデータベース内にも数百人、数千人単位でいると思う。

そんな中でも、やっぱり営業的に提案し辛いお客様や案件というのは必ず存在する。
1つは技術面や知識面で超ニッチなケース。
もう1つは、ビジネス的に難易度が高い場合。抽象度が高い=不確定要素が大きい、というケースも当てはまる。

僕らは技術者集団ではないので(ITであったとしても、製造業であったとしても)、1つ目のケースの支援は他の適任がいると思うが、2つ目のケースについては、何かしらお返しできることも多いと思う。

抽象度が高いオーナー企業の案件。
実働が求められるような大企業の営業、新規事業の案件。
不確定要素が大きく、何から提案したら良いか分かり辛い案件。

そのほかにも、制約条件的に、提案し辛い案件というのもあると思う。

対面での支援を希望される地方のオーナー経営者。
手を動かすことを要望される、割に合わない案件。(キラキラ経歴の人に相談しても実働は嫌がられるケースも多い)
性格的にちょっと面倒だなとか、社内政治も絡んでくるような人柄系の案件。

僕らはぜひ、そういった案件にチャレンジさせて欲しいし、
フラクタルのコンセプトである「最後の泥沼まで、お付き合いいたします」という言葉は、まさしくそういった相談に応えるべく生み出した言葉であるし、僕らの思いは変わらない。

儲からない仕事にこそ全力で向き合う意義があるのは間違いないし、だからこそ僕らはこんなにも泥臭い仕事に向き合っているわけで、
うまくいくことも、いかないこともひっくるめて、まずはぜひ、最低でも3つの仕事は一緒にやりましょう。

僕の尊敬する作家の中谷彰宏さんも、初めての出版社、はじめの編集者の方と仕事をする際には、「まずは3つの仕事を一緒にやってみよう」と言っていたという。

その本当の意味は、3つの仕事をやってみたら必ずその価値を伝えられるという自信があるということの裏返しだし、
儲かる仕事もそうじゃない仕事も、うまくいく仕事もそうじゃない仕事も含めて、ともにやっていこうよ。というメッセージなのだと僕は思う。

僕自身のことや経歴に対しても興味を持ってくれる人たちも多いからこそ、
あなた自身に対して伝えられることもあると思う。今後ともよろしくです。

  • 記事を書いたライター
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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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