時代を越える原理原則と向き合う

時代に流されない「原理原則」を経営者に突きつけるメディア『縮尺』。理念経営のための確かな「物差し」を、フラクタル社メンバーが思考の現場からお届けします。

日々徒然

「人が辞めていく」→「だから採用を強化する」はコインの裏表

「採用の支援」をしているHR事業者は世の中に多くありますが、
その多くの文脈が「人が辞めていく」ことに対して
「なので採用を強化しましょう」という話になりがち。

これは実はコインの裏表で、
本質的な(というほどでもないですが)課題解決になっていません。

本来大切なことは
「なぜ、人が辞めるのか」という課題の特定です。

「人が辞める」という現象自体は良いも悪いも無くて、
組織というのは一定度そういうものです。

問題なのは
「何かがネガティブなことが原因で、
 人が定着し切れず辞めていってしまう」という場合。

その問題の背景と、課題の特定をすることがまず第一歩です。

コインの裏表とは
「売上が下がっている」→「だから売り上げを上げる取り組みをしよう」
というように、一見すると最もらしくても、
同じことを言い換えている(コインをひっくり返している)だけのことを言います。

「現象に引っ張られるな」という言葉は、
僕がビジネスの世界で最初の師であった超優秀な先輩に教えてもらったことです。

企業のコンサルティングで関わらせていただくというのは、
そういうことです。

何から、どのように手をつけて良いかわからないところに対して、
外部の人がどっぷりと関わるからこそ、
その道何十年というクライアント自身が気付けない角度で、
問題・課題解決をすることができるのです。

もし、あなたが経営者ならば、
コンサルタントに依頼する価値というのが
「知恵」にあるということはご理解いただけるはずです。

もちろん「実効性」(実動性)も込みですが、
それでもやはり企業の価値を生み出すのは「知恵」にあり、
その知恵を自分たちとコンサルタントと二人三脚でいかに実現していくかが勝負です。

あなたの会社で、もしコインの裏表のようなことをやっているのであれば・・
それは優秀な人から順番に「あ、この会社はわかっていないな」
とサッと辞めていってしまうことでしょう。

例えば、何かネガティブな理由で人が辞めていってしまうことが続いていた場合。

あなたは、自社の社員が"なぜ、辞めていったのか?"
という本当の理由を知っていますか?
中には退職者面談すらしていない企業も多いのではないでしょうか。

多くの場合社員は、
日々の業務の中で何らかのアラートを出しています。

ですが、そのアラートを汲み取れていないか、
そもそもアラートを出すことすら禁じる雰囲気になっている場合、
それが蓄積されてある日突然「もう無理です!辞めます」となるわけです。

大事なことは、すでに辞めていった社員はもとい、
今いる社員の中にも「何かしらの不満・不安」
を抱えている人たちがいるかもしれないということです。

もちろん、経営者たるもの、
100%全員の満足度を取ることはできません。

経営というのはリソースの配分ですから、
どうしても偏りが生じてしまう。

でも、だからと言って、
社員の不満や不安を知らなくても良いことにはなりません。

もちろん、馬鹿正直に「何か不安はありますか?」と聞いても、
社員は答えてくれるわけありません。

その質問に答えてくれるのであれば、
そもそもその人は過去に既に何らかの発信をしているはずです。

今そうではないということは、既に
「アラートを出しても無駄だ(あるいは損だ)」
という考えを持ってしまっているからに他なりません。

超・具体的なヒアリングと、
想像力を働かせて虚心坦懐にキャッチするよう努力していくしかないのです。

ドキッとした経営者の方。
変わるのであれば、まず自分からです。

自分から毎朝の朝礼で社員の方々に
「安心・安全の場を提供する」ことを約束し、それを守り続けるのです。

社員は社長の言動を全て見ています。
全てです。

発言したことを実行していなければ、ただの嘘つきです。
「1つくらいいいや」というのが、全て社員は見ているのですから、
"言ったことをやる、やれないことは言わない"をまずは1年間やり抜くのです。

そこにはかっこいい戦略論も、新しいデジタルツールの導入も不要です。
嘘つきをやめましょう、と言っているだけです。

でも、それが難しい。
だからこそ価値があるのです。

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神里優斗

最後の泥沼までお付き合いいたします。事業開発コンサルティングを行うフラクタル株式会社の代表取締役| 時代を越える原理原則と向き合うメディア「縮尺」編集長|

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