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時間の考え方

草間彌生さんから考える「独自性」|時代に合わせた人ではなく、時代が追いついた人


草間彌生さんが亡くなった。 97歳。

ニュースを見て、改めて彼女の作品やこれまでの人生を眺めていた。

水玉。
かぼちゃ。
鮮やかな色。
どこまでも続いていくような網目。

私はアートに詳しいわけではない。
それでも、作品を見れば「あ、草間彌生さんだ」とわかる。
これって、実はものすごいことなんじゃないかと思った。

そして、もうひとつ。

草間彌生さんって、どうしてここまで「草間彌生」なんだろう。

そんなことが気になった。

草間さんは、最初から世界中に評価されていたわけではない。
1929年に長野県松本市で生まれ、1957年に単身アメリカへ渡った。
ニューヨークで制作を続け、前衛芸術の世界で活動した後、1973年に日本へ帰国。
そこからもずっと制作を続け、長い時間をかけて世界的な評価を確立していった。
そして97歳で亡くなる直前まで、制作を続けていたという。

その人生を見ていると、

時代に合わせて自分を変えてきた人というより、
自分がやることをずっと続けていたら、時代の方が追いついてきた人
なんじゃないかと思う。

これって、会社にも少し似ている気がする。
仕事をしていると、どうしても「外」が気になる。

競合は何をしているのか。
いま何が売れているのか。
どんなサービスが伸びているのか。
世の中では何が流行っているのか。

もちろん、知ることは大事。
私もめちゃくちゃ見る。
でも、外を見れば見るほど、「正解らしきもの」もたくさん見えてくる。
競合がやっているから、うちもやった方がいいんじゃないか。
市場が伸びているから、そこに行った方がいいんじゃないか。
最近はこれが流行っているから、取り入れた方がいいんじゃないか。
どれも間違ってはいない。

でも、それを一つずつ足していった先に、
どこかで見たような会社ができてしまうこともあるんじゃないかと思う。

採用の仕事をしていても、似たようなことを感じる。
「成長できる環境です」
「風通しの良い会社です」
「若手が活躍しています」
「裁量を持って働けます」
どれも嘘じゃない。
たぶん、本当にそうなんだと思う。

でも、その会社名を別の会社に入れ替えても成立してしまうとしたら、
それは本当に「その会社の魅力」なんだろうか。

採用に関わっていると、
「私たちの会社って、結局何がいいんだろう」
と考える場面が結構ある。

条件なのか。
仕事内容なのか。
一緒に働く人なのか。
会社の考え方なのか。

考えていくと、案外、きれいな言葉になっているものよりも、
「なんでそこまでやるんだろう」
と思うようなことの中に、その会社らしさがあったりする。

効率だけ考えたら、やらなくてもいいのに続けていること。
他の会社だったらやらないのに、なぜかやってしまうこと。
社長がずっと譲らないこと。
社員にとっては当たり前すぎて、「それって普通じゃないんですか?」と思っていること。

そういうものを一つずつ見ていくと、
「ああ、この会社ってこういう会社なんだ」
というものが見えてくる。

そして面白いのは、それが最初から
「強みをつくろう」と思ってつくられたものではないこと。

草間彌生さんの水玉だって、
世界で評価されるために「何を描いたら売れるだろう」と
考えて生まれたものではないと思う。

自分の中にあるものを、ずっと表現し続けた。
それが結果として、誰にも真似できないものになった。
会社も、もしかしたら同じなのかもしれない。

独自性って、新しくつくるものじゃなくて、
すでに自分たちの中にあるものを見つけることなんじゃないか。

もちろん、会社だから売上も必要だし、世の中の変化にも合わせなければいけない。
「自分たちらしさ」だけで経営できるほど単純でもない。

でも、だからといって、世の中の正解ばかりを追いかけて、
自分たちが大事にしてきたものまで手放してしまったら、何の会社なのかわからなくなる。

草間彌生さんは、97歳まで自分の表現を続けた。
その結果、水玉を見ただけで世界中の人が彼女を思い浮かべるところまでいった。

そう考えると、会社にとっても本当に大事なのは、
「どうすれば他社と違って見えるか」ではなく、
「自分たちは、何者なのか」を知ること
 なのかもしれない。

名前を隠しても、
「ああ、この会社っぽいね」
と言われる会社。
そんな会社は、きっと強い。

そして、その答えを探すなら、競合のホームページを見るよりも、

これまで自分たちが何を選んできたのか。
何を大事にしてきたのか。
何だけは譲らなかったのか。

一度、自分たちの歩いてきた道を
振り返ってみる方がいいのかもしれない。

ご冥福をお祈り申し上げます。


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アヤさん@副編集長

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