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日々徒然

社長の代わりではなく、「新しい主役」を育てる。

今日は、仕事とはあんまり関係なさそうな話から。笑
最近、YouTuberの西園寺さんにハマっている。
西園寺さんは、鉄道やバスなどの公共交通を使った旅や、ちょっと変わったルールの旅企画をやっているYouTuberだ。

「日本全国で鬼ごっこをする」とか、
「大阪から東京まで歩く」とか、
「こんなところまで行くの?」みたいな企画を、本気でやっている。

私はもともと鉄道が好きなわけでもないし、電車の形式を見てテンションが上がるタイプでもない。なのに、最近ちょっとおかしい。

「ここ行ってみたい」
「この電車に乗ってみたい」
「この路線、どうなっているんだろう」

気づけば、自分で調べている。

最初はただ、西園寺さんが面白くて見ていただけだった。
でも、人ひとりを好きになっただけで、今まで自分の中になかったものまで面白くなってくる。
これ、なんか不思議だなと思った。

そして、見続けるうちに、もうひとつ面白いことに気づいた。

西園寺さんの周りには、少しずつ「別の主役」が生まれている。

世界をつくる人と、その世界を面白くする人

西園寺さんの動画には、ZAKIさんという相棒が登場する。
二人は、同じことが得意なわけではない。

西園寺さんZAKIさん
企画をつくる人企画の中で動く人
事件を起こし、物語を動かす人起きた事件に反応し、物語を面白くする人
プロデューサー/ゲームマスタープレイヤー/ムードメーカー
最高のゲームをつくる人最高のリアクションをする人
旅行をゲームに変える人移動そのものを面白くする人

西園寺さんは、ルールをつくり、事件を起こし、物語を動かす。
ストーリーや山場、オチまで設計し、視聴者がワクワクする世界をつくっている。

一方、ZAKIさんは、その世界の中に入り、自分の感覚で動く人だ。
西園寺さんが無茶なことをすると、「いやいやいや」「何してんねん」と反応する。
あれは単なるツッコミではなくて、視聴者の感覚を代弁してくれているのだと思う。
大変な状況でも動き続け、起きたことを笑いに変える。

ZAKIさんがいるから、西園寺さんは安心して、思い切り変なことができる。

そして、西園寺さんがつくった世界があるから、ZAKIさんの行動力や根性、リアクションの面白さが引き出される。どちらかが、どちらかの代わりになる関係ではない。
違う役割を持つ二人がいるから、ひとつの企画が成立している。

会社に、新しい主役が増える

最初は、
「西園寺さんが主役で、ZAKIさんは相棒」
という見え方だった。

でも今は、

「西園寺」というコンテンツがあり、
「ZAKI」というコンテンツがあり、
「西園寺×ZAKI」というコンテンツがある。

ZAKIさんは、西園寺さんの代わりになったわけではない。
西園寺さんとは違う強みを持ったまま、一人でも立てる存在になった。

言い換えると、会社に新しい主役が一人増えたのだ。

これって、組織づくりにおいて、とても大切なことなのかもしれない。

「社長の代役」を育てようとしていないか

会社でも、
「次のリーダーを育てたい」
「経営を任せられる人を増やしたい」
という話をよく聞く。

そのとき、無意識のうちに、
「自分と同じように考えられる人」
「自分の仕事を代わりにできる人」
「自分がいなくても、同じやり方で会社を動かせる人」
を育てようとしてしまうことがある。

もちろん、それが必要な場面もある。

ただ、それだけでは、社長の代役は増えても、会社の新しい強みは増えない。

社員が育つとは、社長と同じことができるようになることではない。

その人がいなければ、この会社には生まれなかったはずの強みが増えることなのだと思う。

人を育てるとは、出番を渡すことかもしれない

誰かを主役にするためには、その人の能力を高めるだけでは足りない。
その人の強みが見える仕事を任せること。
失敗しても、自分で考えられる余白を残すこと。
社長の名前ではなく、その人の名前で評価される機会をつくること。
つまり、育成とは、何かを教え込むことだけではなく、「出番を渡すこと」なのかもしれない。

強い創業者や経営者がいる会社ほど、仕事も判断も注目も、その人に集まりやすい。

社長が前に出れば、物事は早く進む。
社長が話せば、周囲も納得する。
社長がやれば、一定の成果も出る。
でも、それを続けていると、社員はいつまでも「社長の企画に出演する人」のままになる。
経営者に必要なのは、自分が輝き続けることだけではない。
誰に、どんな舞台を渡せば、その人にしか出せない面白さが生まれるのかを考えること。
そして、自分が前に立っていない場所でも、その人の名前で人が集まり、仕事が生まれる状態をつくること。

「好き」は、人から人へ広がっていく

仕事ではよく、
「どうしたら興味を持ってもらえるか」
「どうしたら人が動いてくれるか」
と考える。

でも私、西園寺さんに一度も「電車に乗ってください」と言われていない。笑
ZAKIさんからも、「自分の動画を見てください」と言われていない。

勝手に動画を見て、
勝手に調べて、
勝手に次の人まで好きになっている。

人は、誰かに動かされるより、「好き」の延長で勝手に動いていることのほうが、案外多いのかもしれない。
一人の強い主役が人を集める。
そこから別の主役が生まれ、その人を好きになる人がまた増えていく。
そうやって「好き」が人から人へ広がっていく組織は、きっと強い。
組織が大きくなるとは、単に人数が増えることではない。
その会社に、固有の強みを持った主役が増えていくことなのかもしれない。

……なんてことを考えながら、
今日も仕事の合間に、西園寺さんを見ています。笑

いつもお読みいただき、ありがとうございます。


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一度気になったことは、つい深く考えてしまいます。 気づけば「そもそも、なんで?」を追いかけて、ずいぶん深いところまでハマっていることも。日々の仕事や暮らしの中で引っかかったことから、採用、組織、働くこと、会社について考えたことを書いています。

  1. 何度も催促する前に、人が動ける仕組みを考える

  2. 社長の代わりではなく、「新しい主役」を育てる。

  3. 「強い社長がいる会社」では、社員は育たないのか。

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